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細部にまで魂は宿っているか

自分の直感を大切にしています。

何かを買うとき、そこには言葉にならない確信のようなものがあって、それをもとに購入を決めることが多い。

理由なんてあとづけ。なんとなく「そういうもんだ」で判断している。

 

でも、靴下を作り売る立場になると、話は少し変わります。

お客さんの購入動機を理解したい。

どういう瞬間に、何が心を動かしてくれるのか。

そんなことを考えるようになりました。

 

とはいえ、それを言葉にするのは難しい。

「思ったより高かった」「今は必要なかった」――

なんだか不倫の言い訳みたいに、どこか他人事のようで。

大体そんな感じで、自分の気持ちも曖昧なまま通り過ぎていくことが多いものです。

 

でも、先日、そうではない理由で「買わなかった」体験がありました。

それが自分の中で忘れられなくて、ここに書いておこうと思います。

 

 

イベント出店は、基本的に妻のみーか、二人で行くことが多いのですが、

宮崎や外海のイベントは、なぜかいつも私・しゅんが担当しています。

(遠いところはしゅんが行くみたいになってきている。)

 

その日も例によって会場入り。準備を早めに終えて、少し会場を見て回りました。

ふと、猫の置物が目に留まります。

ふっくらと丸みのあるフォルム。なんとも愛らしい。

作り手さんの雰囲気もとても良く、価格も手頃。

 

欲しい――そう思って、手に取らせてもらいました。

けれど、その瞬間、どこかに違和感があった。

 

開場後も気になって何度か見に行ったけれど、結局買わずに帰りました。

 

 

家に帰って妻に話すと、

「珍しい!なんで買わんかったん?」と。

 

確かに私は、欲しいと思ったものは大体すぐ買ってしまう。

だから自分でも不思議でした。

 

なんでやろうね~と話しているうちに、ふと出た言葉がありました。

 

「なんか、細部にまで魂が宿ってなかったんよな~」

 

その瞬間、ハッとしました。

それだ、と。

 

その置物に感じた違和感は、まさに魂の不在でした。

雑とか、汚いとか、そういう話じゃない。

形は整っていても、そこには細部にまで祈りが宿っていない。

そんな気配を、手から伝わってきたんです。

 

 

それって、私たちの靴下づくりにも言えることです。

 

「高い」「今はいらない」――それは仕方のないこと。

でも「細部にまで魂が宿っていない」と感じさせてしまうのは、私たちの責任です。

 

これまでも実直にを合言葉にものづくりをしてきましたが、

これからはもっと咀嚼したことで、細部にまで魂を宿すことを意識していこうと思います。

 

手に取った人には必ず伝わる。

それが、ものづくりだと信じています。

 

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